コーポラティブハウスとは

「買う」でも「借りる」でもない。住まいの仲間といっしょに“つくる”新しい選択肢

コーポラティブハウスとは

「コーポラティブハウス」という言葉は、英語の「Cooperative Housing(協同住宅)」に由来します。
これは、住まいを単に購入したり借りたりするのではなく、住みたい人たちが集まり、協力して計画・設計・建設する共同の住まいづくりのことです。

一般的な分譲マンションや建売住宅とは違って、「作る」という選択肢が加わります。
専有部分だけでなく共用部分についても、参加者が意見を出し合いながら決めていけるため、自分たちの理想に近い住まいをつくることができます。

メリット(魅力)

  • 理想の住まいを実現できる
    • 外観デザイン、間取り、設備などを自分たちで決めることができるので、自分たちのライフスタイルに合った住まいが実現できます。
  • 企画や設計の段階から関われるので、要望を反映しやすい
    • 一般の住宅と違い、設計者と直接やり取りをしながら進められるため、「こんな風にしたい」という希望を取り入れやすくなります。
  • 中間マージンがないため、費用を抑えられる可能性がある
    • デベロッパーなどの利益が乗らないため、その分のコストを節約でき、同じ予算で質の高い住まいをつくれる可能性があります。

デメリット

  • 完成までに時間がかかる
    • 住まいを一緒につくるには、計画や設計にじっくり時間をかけるため、一般的な分譲マンションよりも完成までに時間が必要です。
  • 専門的な知識や準備が必要
    • 建築や費用に関する知識が必要になる場面もありますが、サポートしてくれる専門家もいます。
  • みんなで協力して進める必要がある
    • 土地探しや予算の検討、話し合いなど、メンバー全員で役割を分担して進めることが大切です。

日本での実績

  • 1980年代以降、東京や大阪を中心に展開され、特に都市部の住環境の多様化に貢献
  • 2000年代には、子育て世代や高齢者などの多様なニーズに応える形でプロジェクトが拡大
  • 自治体による支援制度や、住民発案のプロジェクトも増加
  • NPO法人や専門家のネットワークが形成され、プロジェクトの立ち上げや運営を支援
  • 実例:東京都世田谷区「エコヴィレッジ成城」、大阪市阿倍野区「コレクティブハウス阿倍野」など、各地で実績あり

テーマ型コーポラティブハウスとは?

  • このサイトは、人と人を「テーマ」でつなぐことから始まる
  • 「犬と自然に親しめる」「子育てシェア」「食べることを大事に」などの関心で同士を募る
  • 住まいの内容も地域も、参加者のアイデアから生まれる

コーポラティブハウスができるまでの流れ

1. プロジェクトのはじまり

コーポラティブハウスは、「仲間と一緒に計画し、自分たちの理想の住まいをつくる」方法です。まずはコーディネーターが中心となり、土地の条件や規模、予算感などの方向性を整理します。

コーディネーターの役割: コンセプトづくり、土地情報の収集、事業スケジュールの策定、初期予算案の作成。 

2. 土地探しと条件の確認

駅距離や日当たり、周辺環境などを確認し、用途地域や容積率、地盤などの法的・技術的条件もチェックします。候補地が見つかれば仮契約へ進み、あわせて建設組合を設立して正式な事業主体を整えます。

コーディネーターの役割: 土地の法的調査、地盤調査手配、価格交渉、契約条件の整理、建設組合設立手続きサポート。

3. 参加メンバー募集と顔合わせ

説明会や交流会を開き、プロジェクト仲間を募集。初期メンバーが集まったら顔合わせ会で希望や暮らし方を共有します。

コーディネーターの役割: 募集告知作成、説明会企画運営、申込受付、交流イベントの企画進行。 

4. 基本計画づくり

建物の全体像(住戸数、階数、共用スペースなど)を検討します。この段階でまず設計士の選定を行い、候補者の実績や得意分野を踏まえてプロジェクトに最適なパートナーを決定します。コーディネーターや設計士が案を提示し、参加者全員で意見交換します。

コーディネーターの役割: 会議進行、意見集約、設計士との調整、予算シミュレーション。 

5. 個別プランと資金計画

各住戸の間取りや内装・設備を決定。建築確認申請や各種許可申請を行います。同時に総事業費や各自の負担額を確定し、融資の準備を進めます。

コーディネーターの役割: プラン調整、仕様選定サポート、資金計画作成、金融機関との調整。 

6. 施工契約と工事準備

土地を組合名義で購入し、建設会社と施工契約を締結します。

コーディネーターの役割: 契約書内容確認、組合手続き支援、行政申請スケジュール管理。 

7. 建設工事

地鎮祭を行い、工事がスタート。工事中は現場見学会や定例会議で進捗を確認します。 

コーディネーターの役割: 工程管理、施工会社との調整、変更対応の取りまとめ。

8. 竣工と引渡し

完成後、竣工検査を行い、必要に応じて手直しを依頼。全員が納得したら鍵の引渡しです。

コーディネーターの役割: 竣工検査立会い、不具合修正依頼、引渡しスケジュール調整。

9. 管理組合設立と新生活

管理規約を作り、役員を決定。入居後は共用部の管理やイベントなど、暮らしを共に育てていきます。

コーディネーターの役割: 管理規約作成支援、役員選出サポート、運営体制の立ち上げ支援。

もっと知りたい方へ

タイトルとURLをコピーしました